さる2023年10月13日にプログラミング言語Scalaの勉強会『Scalaわいわい勉強会』を開催しました。この記事では会場の様子や勉強会の理念、その他もろもろを紹介します(この記事はid:Windymeltとid:tanishiking24による共同執筆です)!
Scala Tokyo meetup is back! 🤩 26 engineers gathered for 2 presentations and 4 LTs. The meetup was friendly and lively, and everyone looked forward to the next one! Thanks to @hatenatech for providing the nice venue and food🍣🍱 #Scala #scala_waiwai pic.twitter.com/uFGcCNDkyv
— Rikito Taniguchi (@tanishiking25) 2023年10月16日
Scalaわいわい勉強会とは?
Scalaわいわい勉強会とは、Discordコミュニティ『Scalaわいわいランド』が母体となっている勉強会で、今回が初開催となりました。今回は2本のメイントークと4本のLT、そして懇親会という構成で、株式会社はてな 東京オフィス(青山)にて開催されました。会場は活況で、参加者同士の活発なコミュニケーションが行われました。 SNS等では知己を得ているもののオフラインで会うのは初めて、というケースも多く見受けられ、オフライン開催の意義を感じることができました。 実際に会って会話するとコミュニケーション密度がとても高いので、参加した誰もが満足しているようでした。
ScalaわいわいランドとはScalaの日本語コミュニティで、Discordで活動しています。メンバーは100名を突破し、有名なメンテナから勉強中の初心者までが集い、日々活気ある交流が行われています。Scalaに興味のある方、勉強している方はぜひご参加ください。
トーク内容
Scalaわいわい勉強会ではトーク2本、LT数本が発表されました。ここに各内容をかいつまんで紹介します。
Scala Days Madrid レポート by id:tanishiking24
ScalaのLSP基盤であるMetalsや、Scalaをネイティブバイナリにコンパイルして実行する基盤であるScala Nativeに積極的にコントリビュートされているid:tanishiking24 に、先日開催されたScala Days Madridに参加したレポートをお話してもらいました。
Http4s入門 by id:Windymelt
私によるトークです。RubyにおけるRack、PythonにおけるWSGIのように、ScalaにおいてもHTTPサーバのインターフェイスを定めたHttp4sというライブラリが存在します。加えてそれに付属するサーバ実装であるEmberを利用することで、使い勝手の良い形式でHTTPアプリケーションを作成できます。このスライドでは、Http4sを紹介しつつ基本的なサーバの実装方法をアラカルト的に紹介しました。
LT大会
以下のような4つの内容でLTが行われました(順不同)。デバッグにまつわる発展的な内容から、ビギナー向けの内容まで幅広く発表が行われました。うち1つの発表はプライベートLTで非公開です。オフライン開催の醍醐味を感じることができました。
Scalaわいわい勉強会の理念
Scalaわいわい勉強会とその母体となったScalaわいわいランドは、「Scalaを楽しく学んでほしい」という理念から生まれました。
私がScalaを学び始めた頃はScalaは人気の絶頂で、日々多くのブログ記事などの学習リソースが作成されていました。 しかし今では、Scalaの人気は以前よりも落ち着き、Scalaでは他のプログラミング言語ほど、活発な日本語でのアウトプットが見られなくなってきたように思われます。
こうした状況の遠因として、一つは、ミュニティが怖い、うっかり間違った事を書くと強めの言葉で指摘される、というイメージがあること。また、もう一つはコミュニティが多くの熟練のScalaエンジニアで構成されてしまい、初心者を意識したアウトプットが減っていることのように思われます。
プログラミング言語コミュニティを支えるのは大多数の初心者であり、彼ら彼女らが安心して間違ったことを発言できる心理的安全性の高い環境、そして初学者が参考にできる潤沢な学習リソースがなければ、新規参入が減り、初学者から上級者までがいる多様性のある健全なコミュニティが形成できなくなってしまうと思います。
この考えをもとに、私たちは初心者から上級者までをうまく包括できるScalaのコミュニティを建設できないかと考えるようになりました。そして、Scalaに関する様々な話題について、誰もが安心して発言できる場としてScalaわいわいランドというDiscordサーバを作成しました。この試みは成功し、今では100人を越えるメンバーがサーバに参加しており、Scalaの最も活発な日本語コミュニティとなっています。
開催してみてどうだったか
開催前は正直不安でした。人が来てくれるのかも分からなかったし、うまく会場を運営し盛り上げられるかも分からなかったためです。なにより、ここ数年の空白期間によってオフライン勉強会設営のノウハウは完全に頭から脱落していました。 しかしながらはてな東京オフィスの id:arthur-1 さんによる会場設営、株式会社はてな東京オフィススタッフの id:yktu さんによるサポート(ケータリング、名札の用意、誘導標識などなど)、また参加者・LT発表者の皆様と急遽かけつけてくれたスタッフの皆様のご協力のおかげでイベントを盛り上げることができました。
多くの参加者の皆様も勉強会の理念に賛同していただけたようで、今後このような勉強会があるならまた参加したい、というありがたいお声もいただけました。主催者として嬉しい限りです。Scalaわいわいランドとわいわい勉強会が中心となって日本のScalaシーンを盛り上げていきたいですね。
後援という形で会場と費用面でのバックアップをいただいた株式会社はてな様、当日のスムーズな開催にご協力いただいた東京オフィスの皆様、本当にありがとうございました。そして会場を盛り上げてくれた参加者の皆様、参加してくれてありがとう!
スタッフ集合写真 #scala_waiwai pic.twitter.com/qJzAYabZdF
— こはる (@cohalz) 2023年10月13日